普段は好き勝手に書きたいもの書いてるんですが。
いや、それ自体はいつものことか…… まぁ、ときには自分の思想を反映させたものも書くわけで。 こういう考え方あるよね、みたいな。 そういうやつ。 それは昨日、創作ブログサイトに公開した掌編『僕は自分を知らない』も該当するものなのですが。 今年から、原爆、というものに関して調べ物をしています。 切羽詰まった感じじゃなくて、けっこうゆっくり、のろーっと書籍を読んだり映画を見たりしてる、という感じで。 学校の授業で「第二次世界大戦」って本当にちょっとしかやらなかった記憶。 縄文、弥生だのに時間かけるわりに、近代は全然やらないよね。 教え方が難しいものだし、試験にはほぼほぼ出ない箇所だから、避けられてる、って感じ。 今の教育統括の方々の思想の問題もあるのかな。 これも、唐突に思い立ったから勉強した、とかじゃなくて、noteで咲さん、という方に出逢えたから、知らないことを知る「きっかけ」をもらった、というところです。 その縁があったから折り本の表紙を描いていただけた経緯もありますし。 知らないでも生きていけることって沢山あるし、知っておいた方がいいこととと知らなければならないこと、って全然別のものだと思うし、知っていることにも知らないことにも善悪はないし。 知識自体に善悪はないけど、そこに人間が感情を乗せれば、他の誰かに対して善悪が生じるし。 その一方で「知る」こと自体には、遅いも早いもなくて、その行為自体に良いも悪いもない。 たとえば「麻薬」について調べる。 ひとりは「麻薬」が及ぼす影響に関して、その効果を中毒者を救うために調べる。 もうひとりは「麻薬」を使うために、効果と手に入れ方を調べる。 救うため、使うため、にはそこに個人の意図や感情が乗るから善悪が生じるけど、麻薬に関して「知る」というその行為自体には善悪はないと思うのです。 話を戻すか。 確かに自分を形づくる要素のひとつなのに、わたしはあまり「この国」のことを知らない。 今回の『僕は自分をしらない』はここから着想をしております。 ……その割に話に重さが無いぞ。どこにいった歴史の重み。 考えてみれば「戦争」もそうだし、「国産みの神話」も、最近はあまり知られていない。 それどころか、今の世の中はネットによって情報も感情も溢れすぎていて、「自分」というものが曖昧になっている気がする。 たったひとりの誰かの怒りがネットによって加熱して共通感情になって炎上するのもそうだし(結局直接の被害者が埋もれていく)、洋服など外面的な部分も流行に流されて街を往く女性陣の似たような髪型と服装はクローンの量産を思わせる(ついでにいうと、どの服屋に入っても似たようなものばかりが置いてある気がする)。 はみ出し者を徹底的に叩き出す風潮は、現代は顕著だなぁ、と。 そうなると、人と似たようなことを言って、似たような振る舞いをして、世の中に紛れている方がよっぽど楽なんだよね。 考えることも、大多数が賛成することに「うんうん、そうだよね」って頷いていればいいし。 これが正しいとも思わないけど、はみ出したら袋叩きにされる世の中にこういう生き方が出てくるのは仕方ないことだとも思う。 そうなった結果、「自分」というものは大分曖昧なものだなぁ、と思ったわけです。 じゃあ、自分ってなんだろう、ってなったときに、こういう世の中だからこそ「他者との比較」のなかで顕著に見えるものかなぁ、なんて考えたりしたわけで。 平均でいるのが一番楽な世の中で、どうしても譲れず他人との相似からはみ出すもの、それが「自分」かな、と。 「自分」を知るために「他人」を知らなきゃいけない。 そして、「知る」に遅いも早いも、良いも悪いもない。 たとえゆっくりでも、自分を取り巻く「他人」を「知る」ことは、「自分」を知ることにも繋がっていく。 上手く言えないけれどそんな気がして、ただ、その代わりに「知りたい」になるきっかけが大事な世の中になったのかもなぁ、なんてことも思いました。 無知に気付くにも「他人」が必要ですね。 知らないことは、それを知らないことにも気づかないことだから。 その結果、掌編『僕は自分を知らない』は究極的なまでに二人きりの世界になったし、自分のことはわからないまま、ただ一方的に相手を知っていくお話になりました。 それが自分を知ることになっていることには気づかないままで。 友人には「なんでオチだけあんな残酷なおはなしなの;」と突っ込まれましたが、まぁそんなこんながあったからなのでした。 ただ、そのうえで。 これはわたしの世界の解釈の仕方であって、あれを読んで「へんな話」とか「つまんない」とか「面白い」とか、そういう読者の感想が、その人にとって一番正しいものだと思うのです。 なので、このあとがきも、そういう解釈のうちのひとつ、とでも思っていただければこれ幸い。 おしまい。 PR |
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