菫色の夢を見た。
汚い青い毛布と脆い赤い布切れを繋ぎ合わせた、紫などと呼ぶのもおこがましいほどの酷い色。 けれど、過去の僕たちはそれが紫だと信じた。 ただそれだけで十分だった程、満ち足りた色だったから。 紫に似ていれば多分、それで良かったから。 体中に紫色の痣を作って。 それと同じようで違う色を身に纏って姿を隠す。 そうやって同じモノを分け合って、僕らは共に生きていた。 ずっと共に在って、それはこれからも。 それはきっと、永遠であるのだと。 と、思っていたのはどうやら僕だけで。 そう気づいた時にはすべてが手遅れだった。 知らぬ間に拓けていた世界へ、君は首に赤い布を巻きつけて踏み出し、たった一枚の布に足を取られた僕は共に逝くことを選べなかった。 嗚呼。 もう一度。 もう一度君に逢えるなら。 今度こそ僕は君と共に行くだろう。 何処へでも、何処へだって連れて逝く。 君であれば、君がいればそれで良かったと、今更気付いたのだ。 一からやり直し続けても、何度でも僕はきっと君を選ぶだろう。 此の世界でも、どの世界でも、僕は君と共に在る。 でも。 一枚の毛布に共に縋ったきみはもう、此処にはいない。 だから、 【お題】一枚の毛布・Violet・一からやり直し続けても 菫の花言葉は「小さな幸せ」。 じゃあ、それが枯れたらどうなるのでしょうね‥‥‥? PR |
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