奈月明日(なづき・あす):生真面目な少年。自分が嫌い。双子の兄がいる。
九条彼方(くじょう・かなた):色(有彩色)が見えない少年。世界がモノクロ。 出来ること、出来ないこと 「彼方って、なんか何でも出来るイメージがあります」 「いや、それはお前だろ、明日」 「……そうでしょうか?」 「無自覚だな……まぁ、あれだよな。お前は意外と料理が苦手だよな」 「意外と、ってなんですか。普通に苦手ですよ」 「そこ聞くと、ああ、明日もお坊ちゃんなんだなぁ、って思うわ」 「…………」 「一応言っとくけど褒めてるんだぜ?」 「え?」 「そういうとこで実感するけど、普段は本当に普通だからさ。全然お坊ちゃんだって意識しないし」 「ふふ……」 「……そういえば、彼方の苦手なことってなんですか? 思い当たる節がないのですが」 「ていうか、俺も別に料理得意じゃないんだけど」 「とは言っても1人暮らしですし、飛びぬけて美味しいというわけではないですが、普通に料理してたじゃないですか」 「そりゃあなぁ……ある程度は出来るけどさ。てか、お前何気に失礼じゃね?」 「……? 何か気に障りましたか?」 「……天然毒舌」 「え?」 「いんや、なんでもねーよ。あとはそうだな、球技が苦手」 「へぇ? ああ、そういえば彼方、体育の時、ボール競技は前に出てこないですもんね」 「色見えないからボールの場所が分かり辛くって」 「なるほど。そういうところでもなかなか不便なんですね」 「ホントによ。まったく困ったもんだぜ」 「意外といつかが料理得意ですよね」 「たしかにアレは意外だったなぁ……あのいつかが」 「ああ見えて家庭的ですよね」 「兄貴肌だし子供好きだし、あいついい父親になれるよ」 「「致命的なほどにモテない(です)けど」」 今頃いつかはくしゃみでもしているんではなかろうか PR |
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