エミールは可愛いんだ(迫真)
というわけで、タイトル通り、ようやくニーアオートマタの[A,B,C,D,E]のストーリーエンドを回収し終わりました。
難易度easyで50時間かけて、武器もサブクエも66%ほどしか回収していないという「お前何やってたんだよ」感が満載ですが、ものすごく楽しかったです。
以下、ネタバレしかけて肝心なところはしなかったりの感想。
* * * * *
この物語の真の主人公は9Sだったのだと思う。きっと、この何気ない時間が一番の幸福。
今作は1周目は2B、2周目は9S、3周目は9SとA2を交互に操作していく手法でストーリーが進むのでさほど周回感もなく、最後までじっくりと楽しめました。
レプリカントの時は周回による追加要素と裏の種明かし、エンドの変化、ぐらいだったもんで、オートマタは完全に違う物語が展開される側面もあって、周回でありながら新しい物語をプレイをするゾクゾク感があって。
遠回りも楽しく、今この時を逃せば作れない関係性もあって、ストーリーを進めるのが惜しくなるときもありました。
ただ、CあるいはDエンドまで見ればチャプターセレクトが出来るようになるので、サブクエストに伴うサブストーリーは躍起になって埋めなくても大丈夫な感じ。
で、肝心のメインストーリーは、というと。
1周目(Aルート)、ヨルハ部隊のアンドロイド「2B」(戦闘モデル)から見た敵・機械生命体との戦争、その一端の終結がAエンド。
2周目(Bルート)は、Aルートにて2Bに同行していたスキャナ―モデルの「9S」から見た、Aルートの裏側、その戦争に隠された真意に触れながら戦争の終結を見届けるBエンド。
3周目(Cルート、Dルート)は、一端の終結をみた戦争に、今が好機、とアンドロイドたちが大規模降下作戦を始めたことによる代償、そこから始まる「9S」の復讐劇と、ヨルハのプロトタイプであり裏切者でもある「A2」の仇討の行方を経て、機械生命体の裏側を識るC,Dエンド。
そして、その結末を受け入れない者たちによる製作者たちへの反撃がEエンド。
そして、このメインストーリーを楽しむためにやっておいた方がより深く楽しめそうなサブクエストがいくつかあったのでピックアップ。
これからプレイする人の参考になればこれ幸い。
「A,Bルートでのクリアを推奨するサブクエ」・迷子の妹 =かなり初期のサブクエなので、優しい人は迷わず妹想いの姉のために捜索に向かうと思う。依頼者は機械生命体だけどね……やるなら1周目のほうがいいかな。
基本的に機械生命体は敵。敵だし、やつらに心なんかない。ずっとそう言っていた9Sが意外にも絆されていくところがかわいいし、2周目でスキャナーモデルだからこそ真実に触れてしまう9Sのためにも、機械生命体がどういうものなのかここで見ておくといいかな、と。
・親子喧嘩 大体「迷子の妹」と同じような理由。親子喧嘩を仲裁したときの謎の感動と、クリア後の「どこの世界でもお父さんは大変なんだな」感がすごい。機械生命体だけど。
・記憶喪失 =なんでこれ必須のサブクエじゃないの、ってぐらい重要なサブクエなので是非やってほしいところ。正規のサブクエは2周目。だけど表面的な流れは2Bでも見られる。
1周目の2Bによる受注と2周目の9Sによる受注で話の流れがちょっと違う。余裕があるなら2回ともやると面白いけど、1回で良いなら2周目の9Sで受注するのをお勧めする。綺麗なお姉さんにデレデレする9Sと、段階的に記憶を取り戻していくことによって辿り着くラストが印象的。
・裏切りのヨルハ =どう考えてもやっておくべきなのだが出現条件がよく分からないサブクエ。マップ上にマーカーが3か所出現するので、そのうちのどれかから始まる。
彼女たちがヨルハを裏切った理由と、逃走を追ううちに出てくる自分たちが持っている情報と司令部からの情報の齟齬が非常に気持ちが悪いクエスト。主人公たちヨルハ部隊がどういう統制のもとに動いているかが垣間見れる。
・巨大ロボの調査→続・巨大ロボの調査 =1周目からできなくもないけど2周目推奨。ストーリー進行によるネタバレの弊害があるだけでなく、ぶっちゃけ1周目の発生タイミングで要求される物を集めるのは結構面倒だったので、2周目なら多分初めから要求素材持ってるよ、っていう話。
最初に遭遇する大型機械生命体・エンゲルスと会話を重ねていくうちに見えてくる機械生命体側の事情とその心が哀しい。機械生命体に心はあるのか、という問いと、3周目で明かされる機械生命体の裏側の話と重ね合わせてみると、パスカルのような特殊個体も含めた機械生命体の個々の在り方が浮かび上がるかな。
・アネモネの過去 =これをやっておくと、レジスタンスのアネモネとバンカー、A2の関係性が垣間見えるので、A2が操作できるようになってからの3周目が楽しいと思う。特にA2に関しては1,2周目でわずかでも情報得られるのは貴重。
・エミールの追憶 =とりあえずやっといて。前作やってるなら絶対やって。やってなくても2Bが好きならやっておいて。9Sのためにもやって。1周目でやっておけば、2Bに綺麗な花の髪飾りを付けてあげられる。スーパービューティー。
サブクエ自体に戦闘はないけど、砂漠地帯の目的地に行くのだけ道に迷うし敵も多くて面倒くさいかな。攻略サイトで地図だけは確認しておいたほうがいい。あそこに着くには相当道に迷うか、たまたま辿りつかない限り無理だと思う。このクエストのおかげで2段ジャンプからの回避による長距離空中移動ができるようになったよ!
ちなみにクリアして行ける場所は結構良いフォトスポットでもあるよ。BGMに前作の「カイネ/救済」が流れるので、こちらも是非楽しんで。
「A,Bルートでやっておくと後にちょっと響くサブクエ」・機密情報の奪還 =苦々しい話だがこれがレジスタンスたちが置かれた現実でもあり、ヨルハ部隊もまた目を背けてはいけないものなのだと思う。9S以外のスキャナーモデルのヨルハが出るので、見ておくと3周目の9Sに思うところがあるかと。
・流浪のカップル =さんざん、機械生命体とは、というのはみたので、見る気があったら「同胞のアンドロイドはこんなもんやで」という意味でやると吉。
・贈り物 =1周目、是非2Bでオペレーター6Oちゃんに贈り物を! そっけない2Bといつでも元気で優しい6Oの姉妹のような、気の置けない友人のような、そういう微妙な関係性が可愛い。オペレーターへ愛着があると後のストーリーへの気持ちが変わると思う。
・データ解析の鬼→データ解析の鬼・弐 =2周目(Bルート)限定。9Sの専属オペレーター21Oによる依頼。9Sと21Oの姉弟のような関係性が微笑ましい。いつもツンドラな21Oさんに褒めてもらいたい。こっちもやっぱりオペレーターへ愛着があると後のストーリーへの気持ちが変わると思う。
・サルトルの憂鬱 =2周目で遊園地ボスのボーヴォワールの気の毒さ際立つ謎クエスト。気が向いたらどうぞ。こっちが憂鬱になる……というか、頭抱えたくなること請け合い。
ちなみに哲学者の方のサルトルが契約結婚を結んだ相手の名前がボーヴォワール。パスカルもエンゲルスも、機械生命体の名前は哲学者の名前……
・スタンプ集め =もうこれ本筋になんも関係ないんだけど、スタンプ集めで見られる機械生命体たちの劇「ロミオ達とジュリエット達」が人類に早すぎるんだけど面白いので見てほしい。無駄に機械生命体たちが人間の文化を模倣している姿がかわいらしい。スタンプ集めも完全に人間の文化だよね……
「C,Dルートでのクリアを推奨するサブクエ」・同胞達の行方 =サブクエ「エミールの追憶」をクリアしていると3周目の9S操作時に発生するサブクエ。この時のために「エミールの追憶」をクリアしておく必要があります。これを最後までクリアすると、3周目初めの大規模降下作戦にて失われた同胞への弔いイベントが見られるのでぜひとも。
・情報収集部隊 =9S以外のスキャナータイプに出逢えるサブクエ。同型機との会話はなんだかんだ初めてになるので、9Sのスキャナータイプとしての在りようを見返すにも良いクエスト。
……こんな感じか。
なんだかんだ多いような、そうでもないような。
面倒なクエストと、さほど時間のかからないライトなクエストが混在しているので、実際遊んでみると大したことないと思うんだけど。
なんだかんだ、ストーリー中でさらっと出てくるけど「それサブクエやってないと意味わからなくないか?」というのがちょこちょこあるので、任意のサブクエまで見届けて、初めてオートマタの世界が分かる感じがしました。
そういう意味では説明が足りないし、人によってはなにもわからずに終わる。
細々したところまで拾って、遊びつくして考察をするのが苦じゃないタイプの人にはとても楽しいと思う。
隅から隅まで探索しきれるマップの大きさなので、とくに1、2周目は面倒くさがらず色々やってみるのも腕試し&レベル上げにもなりますね。
オープンワールドっぽいけど、オープンワールドじゃないっていう。
箱庭感もありますが、シャレではなくFF15で迷子になりまくった私からするとちょうどいいマップの広さでした。
そのマップのなかでもビルの中とか屋上とか、岩場の上とか、ほんとうにちょっとしたところにサブクエストの依頼人がいたりするので、地形に合わせた移動を駆使してクリアするものとかはそのおかげでいろんなアクションを覚えましたね。
二段ジャンプからの回避で長距離空中移動とか。
射撃+ジャンプの同時押しでポッドぶん投げて空中滑空とか。
ジャンプボタン長押しでポッド掴んでゆっくり降下とか、最初全然気づかなくて着地ダメージ受けてた有様だったし。
というか、私は難易度easy+オートフル活用で後半はほとんど戦闘やってないような有様だったので、長距離移動のジャンプとかはサブクエの移動で必要に駆られて覚えたみたいな(笑)
気付かなそうな場所とかも入る羽目になるしね。砂漠の地下空洞は序盤にうっかり落っこちてえらい目にあったけどね。クエストで入った時に同時に探索するのが楽だよ!
しかしまぁ、面白いゲームだった……
ここまでアンドロイドや機械生命体が人間らしいと、人間の定義とは、心とは、という哲学的な問いになってくる。
機械生命体も敵なんだけどさ、恨みもあったり、非好戦な個体相手だって想うところが無いわけでもないんだけど、一概に「ぶっ壊す!」って勢いよくいけるかっていうと、そうじゃないわけで。
非常に苦々しいものを抱えながら、重要な選択を迫られていく物語だった。
アクション自体もeasyならオート使えば苦労せずに進められるので、ゲーム苦手な人にも門戸が広いなぁ、と。
苦手なら苦手なりに戦闘を楽しもうとするならば、「オート射撃」と「オート回避」のチップだけつけて、近接攻撃は全部自力、ってやると戦ってる感もありながらも死ぬ確率も減り、アクションが苦手でも楽しく遊べる気がします。
「近接オート」と「武器切替オート」だと、もはや移動しかやることが無い……
好きな武器で、ボタン連打だけでも気持ち良く格好よくコンボが決まるのが醍醐味でもあるので、自分で武器を持って戦うのが楽しいよなぁ、って思った。
「ポッドプログラム」のオートはお好み、って感じだけど。起動忘れちゃうならもったいないからオートがいいし、任意のタイミングで一掃させるためにベストを見計らって使うなら手動のほうがいいし。
そして、前作に続いてオートマタも演出が良い。
ストーリー追うならネタバレサイトでも実況動画でもいいんだけど、実際にプレイしての没入感、というか、映画を観ている感じはプレイしないと分からない。
3周目、ある場所に到達すると9SとA2を細かく交互に操作して塔を登って行く場面があるんですが、登り切ったときに2人とも同じ足場に着地するところがカッコよすぎて。これは演出の妙だな、と思いました。
あと、演出ならとくにEエンドのアレとか!あのシューテイングは自分でプレイして自分で見届けないと本質が分からないと思う。エンディング曲聴きながらちょっと半泣きになってシューティングやって、失敗してそのたびに出てくるオンライン上の応援メッセージにさらに泣きそうになる。しかも、その応援メッセージも、他のプレイヤーがオンラインを通して残して行ってくれたものだから、この道は誰かも通った道なんだな、って思える。で、その衝動に任せて前作でもやって後悔したのにセーブデータを消す(今回は任意でセーブデータ残せるのに勢いで消す。
クリア直後は精神が平常ではないので仕方ないと思う。
あと、どうでもいいであろうオマケ要素が楽し過ぎる。
たとえば水場に行って水の中に立たせたまま放置すると、キャラクターが水濡れを鬱陶しがるモーションが有ったり。
高いビルの窓際に立って放置すると下をのぞきこんだり……身を乗り出すと危ないよ。
クエスト受注の際にNPCから話を聞いてる最中、同行者が暇そうなモーションしてたり。お前も話を聞け。
コントローラーのタッチパッドを撫でると、操作キャラがポッドを撫でたりね。2B、9S、A2それぞれ撫でるモーションが違う。あと、撫でると徐々に好感度が上がって、最終的にはポッドからの愛の言葉(語弊がある)が聞けるぞ!
あとはあれか、2Bのスカートが覗ける低い位置にカメラを固定しておくと、2Bが嫌がる専用モーションがある。変態かよ。でも、恥ずかしそうな2Bがめっちゃかわいい。10回やるとトロフィーもらえるよ。最悪じゃないか。
これはべつにオマケ要素でも何でもないんだけど、動物もいっぱいいて背中に乗って移動できるようになるんですが、加速すると機械生命体にぶつかると敵が壊れる(文字通りの意味で)。
そりゃ壊れるだろ、って速度なんだけどね。
で、楽し過ぎてそのまま勢いよく高台から落ちると動物が上手く着地できず、その着地の衝撃で死ぬ。
そして、シカ肉や獣皮が手に入る……すまなかった。
いちいち小ネタが細かい。
そして、ニーアシリーズと言えば音楽。
マップ音楽も特定の条件下でコーラスが乗ったり、アレンジが切り替わったり、同じ曲がシームレスに表情を変えるので聞いてて楽しい。
そして唐突に爆走しながらマップ音楽をかき消すエミールのへったくそな歌。最高かよ。
前作の曲のアレンジもあって、そこに気付くとニヤニヤできますね。
ただ、こういう形での前作からの干渉は有れどストーリーを重大に侵す繋がりはないので「やってたらいろんな場所でニヤニヤできるよ」っていう程度の繋がりなのは、新規ユーザーでも心配ないからいいよね。
そんなこんなでめちゃくちゃ楽しみました。
土日の夜にだけ進めて、挙句道に迷ったりそのうえで寄り道したせいでストーリークリアまでに50時間を超えましたが、普通にゆっくりやっても40時間かからないぐらいでEエンドまで行けそうな気がします。
前作もDODも遊んでると感覚が麻痺して「ハッピーエンドだ」って思いましたが、普通に考えたらハッピーエンドじゃない可能性が僅かではないゲームなので万人にはおススメできません。
ただ、メガテンとか初期のペルソナとか好きな人は合う気がします。
他にも奈須きのことか、虚淵玄氏のシナリオが好きとか。
ニーアレプリカント/ゲシュタルト、DOD含め、ヨコオタロウ氏のなんともいえないあのシナリオの仄暗さが大丈夫なら楽しいかな。
というわけで、なんだか長くなったけどニーアオートマタの感想でした。
Aルート2周目に入ったので、これからは回収できてないサブクエ遊んできます。
本当に、本当にありがとうございました。
[2回]
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